一流に学ぶと言う事
自慢話ではないが、私は学ぶ環境には恵まれてきた。
この話をするには、私の経歴について述べなければならない。
私は外科で呼吸器を専攻してから耳鼻咽喉科に転科した。
この経緯については後述する事もあるかもしれないが、今は置いておく。
初期研修医の頃、漠然と救急か外科に進む事を考えていた。研修医の間に取れる資格は取っておこうと思い、
JPTEC
JATEC
TNTコース
を初期研修中に取得した。
初期研修中にお世話になった外科の先生は非常に面倒見のいい先生であった。
初期研修医の私に論文の指導をしてくださり、手術も沢山させてくださった。
怒る事を滅多にしない方だった。
その先生が呼吸器外科出身の一般外科医であった。
いわゆる一般外科でも呼吸器の手術をできる一般外科医は少なく、私はその先生に憧れて呼吸器外科に進むことにした。
当時は肺移植が日本に入ってきたばっかりであり、その格好良さに憧れて呼吸器外科を選んだのだ。
当時関東で肺移植を行おうと進んでいた大学病院は2つのみ。T大とK大である。
呼吸器外科に進んだ私は、今の日本で知らない呼吸器外科医はいない有名医師の元で学ぶ機会を得た。
学んだ事は色々あるが、良く言うのであれば、
・臨床研究の大切さ
・統計が何たるか
・プレゼンテーションが何たるか
・病理所見の大切さ
・素養教育の重要性
・一流とは何たるか
である。
しかし、この先生の元に私は長居しなかった。
耳鼻咽喉科に転科したからである。
現在、これまた日本で知らない人はいないとされる著名な先生の元で勉強する機会を得ている。
今のところ、学んだ事は多くあるが、前述の先生との共通点は多くある。
・臨床研究の大切さ
・プレゼンテーションが何たるか
・病理所見の大切さ
・素養教育の重要性
である。
業績を残すのは大変でもあり、簡単でもあると言える。
良く言うビッグデータによる検証研究。
まぁビッグデータの定義にもよるが、とにかくnの大きな研究である。
研究テーマが決まれば、あとはSPSSなどの統計ソフトが事をなしてくれる。
それを論文にすれば出来上がり。まぁ、これも大変なんだけど。
症例報告や臨床研究を行う上で、どこに視点を置くか、何をテーマにするかと言うところにいわゆるセンスが関係してくるのだ。
私も、今学ばせて頂いているK先生の若かりし頃も共通して言われていることがある。
「なんでそんなに発表するテーマや症例が集まるの?」
答えは簡単である。勝手に集まっているのではなくて、一例一例を調べ上げるから、分からない点を疑問に思うし、調べようと思うのだ。
そんな稀な症例は転がってこない。
のではなく、
手元にいる症例が見えていない。
のである。
いわゆる一流と言われる人に学ぶチャンスがあるのなら、有無を言わず飛び込むに限る。
人生の中で、こう言うチャンスは多く転がってくるわけではない。
こう言った人に学ぶ事が、更なる一流の方々と触れ合う機会を生み出すことにもなると言う事を忘れてはならない。
「教科書に書いてある事が…」、「そんなことも調べても…」
そんなつまらない事を言う輩は放っておくのが良い。凡庸に付き合うな。はみ出して、その場所で馴染めるように努力すべきである。