子育てパパのつぶやき ー耳鼻科医、経営者、家電好きー

3人の子育てをする耳鼻科医パパの手記

学会で発表すると言う事

医者になり、医局という組織に属すると遅かれ早かれ学会で発表する機会がやってくる。

殆どの人は、上司に「これ、発表したら?」と言われて初めて発表するだろう。

初めてパワーポイントを作り、初めてプレゼンテーションする人も多いはず。

戸惑いながら、上司の指導を受けながら、予演会をくぐり抜け、疲れ果てて発表に漕ぎ着く。

まぁ、嫌になるよなぁ。と思う。

 

当たり前である。

好きでもない内容を調べて形にしようとしてもうまくいかないし、達成感も微々たるものだ。

 

自分でテーマの見つけられない者は、ずっと上司に言われるがままにするしかない。

それは苦痛でしかないのだ。

 

そもそも学会とはなんぞや

同じ領域の医師がみんなで時間を合わせて集合し、「研究をしてこんなことがわかった」

「こんな症例があった」

と報告しあい、議論する場である。

礼儀的な話をすれば、みなさんが時間を割いて発表者の話を聞きにきて下さっているのである。

熱意もなく、やらされてる感満載の発表は失礼である。

 

症例報告だろうが、統計学的予後評価であろうが、基礎研究報告であろうが、研究とは熱意であると思う。

面白い!なんで?

が形になりやすいし、自ずとやる気が出てくる。

もちろん十分な下調べが必要であるが…。

 

例えば、先輩でこんな発表をしている人がいた。

甲状腺癌の、とあるマーカーについての予後について調べました。

SPSSなどの統計ソフトを使って、予後はこうなるので、このマーカーは予後予測に有用です。

予演会で医局員からの素朴な質問が、決定的だった。

医局員A「そのマーカーってなんなんですか?」

発表者「えっと、、、分かりません」

本末転倒である。

結果が出ていても、この発表者は無知であるとしか言いようがない。

この結果を論文で出そうが、某がんセンターのスタッフになろうが、研究者としては三流以下である。

 

本当に興味のある事なら、一から十まで調べるし、知っていて当然である。

プレゼンテーションの練習など必要がないくらい自然と言葉が口から出てくるし、熱意は伝わる。

 

皆さんには学会発表がなんたるかをよく考えて見てほしい。

因みに、学会発表や論文に興味がないなら、それで良い。

人生はそれが全てではないし、医者の仕事以外に熱意を燃やせることがあるのならば、それで良いと思う。

但し、医者としての仕事は最低限するべきだが。

命を守るために。

 


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